シリーズ『日はまた昇る』 | 日本合板商業組合【日合商関西支部報】

業界

2022年10月18日

業界シリーズ『日はまた昇る』

シリーズ『日はまた昇る』

堺の巻=昭和22年7月=

焼けた龍神駅を東に行き仲之町から大町、甲斐の町、熊野町、戎島を経て堺東駅に出て第一巻を終わる

〇住吉橋の西詰伊庭産業㈱は社長伊庭専作氏、女も酒も金儲けも人一倍嫌いで知恵者なり
〇和泉製材工業所は保田泰蔵、角田勉両氏が刻苦精励
〇山源商店は古座の山本豊太郎氏の令弟山村寿三郎氏の経営で支配人は年寄りやら子供やら見分けのつかぬ江川清さん
〇堺木材㈱は元の地木の残党で固めている。社長は和智豊忠氏(43)で一癖ある人物
〇堺復興木材㈱は好男子角野角次氏が代表で、出見吉三郎氏、辻谷嘉十郎氏、定正雄氏の陣容、堺市の復興は遅れていると言えば、出見市会副議長は左に非ず、大阪よりも遥かに復興が進捗していると熱心に弁駁する
〇日高木材工業所は元は木槽専門、今は製材に転向大工場あり、日高徳七氏は製材林組の理事で衆望あり
〇龍神橋西詰の龍神産業㈱は西座正蔵氏の経営、業績よし
〇上田木工製作所主の上田春義氏は竹を割ったような人、近く製材運転開始
〇倉橋定治商店は板問屋、在庫豊富、羽衣がお住まい
〇老舗芳井俊人商店も全焼後熊野町で四月から再出発
〇ふた喜は焼けてどこへ行ったと思ったら金釘常三郎氏より来信に曰く、わがいほは 松風しげく訪れる 浜寺近き諏訪の森かげ
〇阪南建設は改組して大東土木工業㈱となり社長は和田和男氏
〇堂之本商店は社長堂之本千代松氏五黄会員、重役は岡本敏楠、松本周造、堂之本吉彦の諸氏で新進気鋭揃いなり
〇大小路から堺東に出る焼け野が原の一軒家は長山留松商店にて父子共お人柄
〇南花田口の浦本木材工業は堺の大御所浦本邦一氏、忠君愛国がたたって追放組、長男哲彦氏は関大出の学者で君子
〇千早林業は開業早々
〇大和商会の中畑重治氏(39)は林組堺支部長で将来の堺業界を担って立つ人、工場は活気あり
〇東湊の阪口製材所、伸興木材工業の石島穣氏ら評判よし

吉野石膏株式会社
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