業界シリーズ『日はまた昇る』
浪速区の巻=昭和22年10月=
〇木津川町1丁目の西野義三氏は紫友会の古老で金できた
〇青木茂氏は西野と同年(51)で万熊と中熊出の正直男
〇稲荷町の柴田富三郎氏は島治出の快男児―頭はげた
〇南隣の津村寛氏(32)は赤井出の好男子で箱の材料専門
〇稲荷町1の大興木材会社は丸紅系で社長兒玉勇三氏は伊藤忠の重臣、井上章氏は好評
〇井田商店はベニヤ界の雄、井田社長は川井氏に似て紳士
〇桜川1の北洋木材工業は茶びん中野吉三郎氏で光る
〇大阪建設集荷組合長大塚冬正翁専務北野佐太郎氏の親子は往年北洋材の重鎮にて何れも幼にして色を好む
〇ツバメ建材株式会社は社長橋本末蔵氏(53)元は猪飼野で天井板で儲けた人
〇恵美須町4丁目浪速木材会社は矢倉登氏が社長で奥野組へ大分寄付したらしい
〇敷津町の曽根工務店は土木製材木材業、店主曽根勇氏(40)は日蓮宗の信徒で正義の人
〇北隣の山本隆三商店は大和下市から進出して大活躍
〇森都商店の森戸繁氏も大和の人で営業ぶりが新しい
〇新川のナニワ合板は四ツ橋で鳴らした村石秋吉氏が南方から復員してきて再出発の舞台
〇上田庄一郎氏は戸田合板出のベニヤの花形百貨店へ納品
〇元東神田町で丸焼けの山本平三郎商店は元町5で捲土重来
〇榎本建材商会の榎本秋夫氏(37)は奥忠出の新人
〇日本木材工業会社(社長扇田政勝氏)は焼跡の草の中
〇京都の木平こと田中平一郎氏の店も一寸人目につき難い
〇元町ロータリー西側の松尾治良氏は吉野銘木復興用材。木材界の弱肉強食を痛罵し組合チケットの公正配給を熱望
〇鐵眼寺の南に山川久三氏の大白商会あり。これをダイビャク商会と読んでくれたのは橋本愛蔵氏だけなりという
〇西林進一商店は建築用材荷造木箱、伊都郡大谷が本店
〇伊藤勇氏は建築と木工、奥さんはバットに似ている
〇東和製材建築部は店主が不在で一切分からぬ店
〇湊町駅前の大事務所は大阪府製材林産組合で組合長は田村鹿治、専務理事は田村一二三の大小両氏。太田村はブタの如く小田村はトカゲの如し