シリーズ『日はまた昇る』 | 日本合板商業組合【日合商関西支部報】

業界

2021年10月15日

業界シリーズ『日はまた昇る』

シリーズ『日はまた昇る』

長堀の巻=昭和22年3月=

昭和16年末眞平の調査によると長堀には東から村石、山本、高重、新惠、橘川國、小田原、中野、尼勝、福田、熊留、熊市、井内、船鉄、高彌、熊善、平田、角山、守矢、辰巳、森國、堀井、吹儀西、新彌、丸長、柴田、川井、新伊、土橋、今勝、松野、長駒、亀井、高元、熊彌、門田、宮瀬、吉村、新佐、森本、熊直、三松、久我、直川、朝日、福平、北正、長彌、辰馬、材新、福三の50軒が軒を並べていたが昭和20年、時は弥生の中四日、勅使が幕府に御到着、浅野たくみの守様は殿中松の廊下で刃傷即日ご切腹なさった日に大阪は丸焼けになって以来、長堀市場で栄えた木材街も野となったが、最近の復興ぶりは目覚ましい。

●長堀南1丁目電車道には住宅資材共販所とてガラの割に角力の弱かった亀井の野上氏が代表で柴田、橋本、梶村、紀の芳の諸氏と床用材を磨いている
●新彌の栄澤さんのお店は一坪程の番小屋式で長堀筋では一番小さい
●大和木材商会は高重出身の杢保常明、熊善の塩野雅一両君の共同で新鮮味あり
●通りの南方に清水木材工業が大きな計画を立てている
●川側に昔親尚会の実質的会長だった名物男芳やんこと井上芳治君の運搬業の寄り場あり。隣の栄澤商店より大きい
●丸一製材部は無人だった
●浪速木材工業株式会社は船越良太郎さんの経営で高重の更生つんぼの先代20年の春逝去
●丸五木材会社と松尾惠司直売所は大きい看板で大きな製材を持っている。ここは吉原愛之助、小川孝一、平見梅雄諸氏共同で代表は松尾惠司氏、モダンな事務所も落成した

吉野石膏株式会社

●かまち屋の丸米は橘米吉氏
●大元木材株式会社は社長坪井彌一氏で北恩加島からここに進出して四邊を圧する勢いである
●2丁目に柴田繁治氏床用材
●岸本の大邸跡の廃墟を隔てて角山商店の瓦の屋根あり、腕一本で二人前働く阿井川氏
●神戸の松原和三郎商店もここに新築している
●ベニヤの多田欽一商店
●長堀商会は石原元吉、富士久吉、楢崎伝蔵諸氏の共営で外観内容とも本格的で長堀の花形
●玉置紀一郎商店は紀州から
●新佐商店は野口悦三郎氏と福畑政雄氏、吉野材の専門店。房之介翁は79歳で益々健在
●久我商店の直売所は大きく明日の飛躍を約束している
●長堀木材工業所は河長さん
●秋田杉の宮瀬商店は兄弟仲良く有名なさめ子刀自ご健勝
●木下五郎商店第二販売所は目下建設中、近日開店
●大阪木材商事株式会社の木場は目下待機中
●ヒノキ商行は渡邊十郎、田邊政次郎、辻勝巳、小畔治作、坂口喜晴、平塚千代一の六花仙で、問屋橋の草野あと
●長彌のあとには永久雄商店が代わりまして見参、倉庫大
●あみだ池の焼跡を一望する地点に大勇商会とて4年前に物故した川原勇次氏の遺児章男、健作、基助の三兄弟が父の遺志を継いで一生懸命に精出ししているのが涙ぐましい
●白髪橋より西には大二新興株式会社の木場が一つ

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