シリーズ『日はまた昇る』 | 日本合板商業組合【日合商関西支部報】

業界

2022年3月18日

業界シリーズ『日はまた昇る』

シリーズ『日はまた昇る』

難波の巻=昭和22年5月=

南海高島屋を中心にあの半円を巡ってみる。最もややこしい地域である。新川のおはぐろどぶに沿うた狭いきたない町が焼けた跡へ製材や材木商が出来ている。
〇ここでは宮家正清商店が早い、宮家氏は讃岐の人、元杭全町で営業中応召し復員直後ここに開業した温厚篤実の材木商
〇協和木材商会は松江賛二郎氏の長男で模範青年の雄一郎君(22)が中心で活躍
〇共和安田の両製材は貧弱
〇大和木材工業の堂道善蔵、箕谷頼光、榎堀正信の三重役は大和桜井の親分相模屋政五郎こと西垣愛太郎の乾分なり
〇本通りの金川保弘さんは元は車両今は建築材料問屋
〇小川三郎兵衛商店は長堀の旧家福三
〇当主枕絵の殿様も戦火でお気の毒、社長小川氏、重役俵雅一、武田小次郎、尾野幹之助、営業主任は吃りの正直男山本熊吉君
〇重本博氏は島根県人年40、新興の敏腕家で酒も煙草も女も嫌い,金儲けだけが好物
〇日新商会の代表者は厚見眞氏、小林町濱野出の新鋭なり
〇御堂筋の東組は土木の古豪社長の東二三郎親分は腹太し
〇ナニワ物産㈱家具部は薮内機械の系統にて薮内社長と亀田専務は兄弟也
〇河田重雄氏は元は水道工事今は材木商、年50
〇河原町の美藤建材の社長美藤長太郎氏はベニヤ界では鱗にこけの生えた先輩
〇大和木材商会の岡本道夫氏45歳で三重県の人
〇山嘉商会奥田敏明氏は大和出身で屋根板の専門店
〇三陽商会の社長は37歳の鐵田義司氏建築用材と物産で河原町にそびえている
〇畑島組の社長は畑島為市氏52,元九州佐世保の請負業者で鉄道省物品指定製材所
〇吉野中央木材の支店には社長の弟石橋義夫氏、この会社は32歳以下の新進揃い
〇浪華建設㈱は三都産業の分身にて社長仁藤虎雄氏、柄の良い人物が揃っている
〇城東区の川邉製材出張所は永大ベニヤの特売と材木
〇㈱大阪戸田組の社長は54歳、元市岡音羽町で鳴らした土木請負業者

吉野石膏株式会社
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