理事会・総会日合商の総会 3年振りに神戸で開催
130名超参集して情報交換
神戸オリエンタルメリケンパークホテル
日本合板商業組合関西支部(支部長・丸敏幸氏、正会員80社・準会員22社・賛助会員48社)の第45回総会が4月21日(木)午後3時50分より神戸オリエンタルメリケンパークホテル4階「瑞天の間」に77社(委任状43社)が出席(準会員を含めると総勢130名)して開かれ、丸支部長が議長となって上程諸議案を審議承認、一瀉千里に議了した。
総会は山口さおりさんの司会で始まり、国歌清聴、業界物故者への黙祷、来賓紹介に続いて丸支部長がマイクに向かってまず出席各位と開催に尽力した兵庫のメンバーに謝意を表し「3年振りのリアルでの開催です。私が支部長に就任して初めての総会でもあります」と前置きし「当たり前が当たり前でなくなった。ここまでコロナが長引くとはだれも予想しなかったがようやく光が見えてきた。その間、ウッドショックが襲来し春からはロシアが暗い影を落としている。これからも材不足と価格の高騰に振り回されそうだ。こんな時だからこそ交流の場が必要です。本日の総会をフルに活用し一致団結して関西の結束力と実行力でこの難局を乗り切りましょう」と挨拶、議長席についた。
会務報告を谷畑勝三副支部長が説明したあと会計報告(村石会計理事)・監査報告(大地監事)・関西支部報(藤田関西支部報会計理事)・役員の一部変更の諸議案が満場一致で可決承認された。次期開催地は大阪。石本前支部長に感謝状と記念品が丸支部長から手交され、来賓挨拶が始まった。
◎令和4年度関西支部理事は次の諸氏。
◆支部長(奈良)=丸敏幸(丸産業)
◆副支部長(大阪)=桑原健郎(紀洋木材)
◆同(兵庫)=藤本俊明(宗行)
◆同(京都)=國松隆夫(クレマ)
◆同(奈良)=谷畑勝三(奈良木建)
◆会計理事(大阪)=村石建治(クトクマーケティング)
◆理事(大阪)=浅野敏行・藤田博昭・佐藤原二・小西宏明・角野弘・久我洋一・池内亮【新】・稲川雄一・中村暢秀・西田正一・石本勝範・松尾恭伸・島田博史
◆理事(兵庫)=池本一広・田中弥由美【新】・中村伸弥・湯浅利弘・森川健一
◆理事(京都)=坂口旬一・辻井毅・中村憲夫
◆理事(奈良)=正司茂希・谷奥忠嗣・平越國和
◆監事(大阪)=大地庸元・中澤伸文【新】
◆相談役(大阪)=久我三郎
◆支部報広報委員長(奈良)=細工屋忠佳
◎令和4年度 総代
(大阪)㈱久我・㈱クトクマーケティング・㈱大五・太田ベニヤ㈱・㈱丸五木材・協和産業㈱(京都)丸武木材㈱(奈良)タカダビルテック㈱・谷一木材㈱(兵庫)林木材㈱
◎令和4年度 役員[敬称略]
1.(兵庫)㈱ハリマック社長 湯浅利弘
2.(京都)平安建材㈱社長 中村憲夫(日合商前副理事長)
3.(大阪)紀洋木材㈱社長 桑原健郎(大合商組合長)
4.(京都)㈱クレマ社長 國松隆夫(京合商理事長)
5.(奈良)㈱丸産業社長 丸敏幸(関西支部長)
6.(兵庫)㈱宗行社長 藤本俊明(兵合商組合長)
◎令和4年度 監事[敬称略]
1(奈良)㈱奈良木建社長 谷畑勝三
※本部副理事長=マルコマ㈱社長 石本勝範
※本部相談役=㈱紅中名誉会長 中村暢秀
来賓4氏が祝辞を披露
来賓祝辞は4氏(萬谷信弘兵庫県農林水産部長は公務のため議事審議前に祝辞を披露)。
まず、稲本吉高大阪合板検査所所長は各位のJAS製品やクリーンウッド法への理解と協力に謝意を表したあと「ウッドショックやロシア危機はSDGsの理念により拍車をかけている。早晩、植林材しか使えない時代が来るだろう。国産材へのシフトは避けては通れない。皆さんと力を合わせて乗り切りたい」と話した。続いて4月1日に17年間社長職にあった前任の柴田敏晶氏からバトンを譲り受けた関野博史伊藤忠建材社長(関西商社会副幹事)は「円安と材不足に加えてエネルギーの逼迫感が入り混じって先行き不透明、不安感が充満している。が、ここ関西には万博等のビッグプロジェクトが控えている。関西が日本を元気づけると確信している」とエールを送った。最後に石本勝範日合商副理事長が「久しぶりの総会、リアルの総会。リアルっていいナア、を実感しました」としたあと「1977年に日ベ商連から発展して誕生した日合商は全国13支部1300社の会員を有しているが今年の新年会は関西支部だけが開催、270名超が参集した。丸支部長の英断だ」と関西支部を称賛した。さらに「今年は5月18日に全国大会を開きWEBセミナーは6回予定している」と本部のPRも忘れなかった。
総会は國松隆夫副支部長の挨拶で幕を下ろし講演会に移った。
講演会 講師は藤倉眞氏(伊藤忠建材)
脱炭素社会実現に向けて
講演会の講師は伊藤忠建材㈱住建事業統括室の藤倉眞氏、演題は「住宅市場を取り巻く動向を読み解く~ウィズ・コロナはアクセルか?」。
講演回数が年60回を超える同氏はコロナで席巻され続けた国内外の情勢を数々の数値とグラフを示しながら説明し「テレワークが増えて逆に住宅市場が活性化した。資源高と原材料費の調達費の上昇で大手企業の収益が落ち込む中、大手ゼネコンや中小建設業者は今まで1度もマイナスに陥らなかった」と分析し「ところがこれからはそうはいかない」とした上で木材・建材業界に的を絞って講演を進めた。
住宅価格が上がり賃金は上がらない。この環境下でいかに提案するか?まずは中古市場の動向に注視したい。首都圏では2016年に中古マンションの成約戸数が新築を上回った、近畿も同じだ。中古を買ってリフォームする。コロナで1戸建てのリフォームも増えている。自宅がオフィス化している証拠だ。加えて、国の政策、これがこれからのキーポイントになる。脱炭素社会に向けて国は2050年カーボンニュートラルを国際公約に掲げた。国はこの実現に向けて数々の施策を打ち出している。脱炭素社会に向けては3つの重要ポイントがある。1番目は「住宅・建築物における省エネ対策の強化」。遅れている家庭部門の省エネ対策は待ったなしである。ZEHは必須条件だ。これからは住宅に関する省エネ対策への提案が大事になる。ZEH水準等級5・6・7の新設が真近に迫っている、我々の狙いは等級6。2番目は再生可能エネルギーの導入拡大。3番目が吸収源対策(木材の利用拡大)。
光合成によって炭素を固定する木材の利用を拡大し、伐って使ってまた植えて育ててまた伐る。循環型資源である木材は空に太陽がある限り永遠だ。住宅・非住宅に木材を多用する社会は脱炭素社会に通ずる。
「住宅金利の補助・優遇策等々を含め国が打ち出す施策のほとんどが国際公約達成のため。国の本気度は高い。それを念頭に置いて今後の事業の参考にして欲しい」と述べ、60分の講演を結んだ。
懇親会 盛り上がる
小憩後、席を「瑞天西・中の間」に移して懇親会が催された。冒頭、開催に奔走した地元兵庫の藤本俊明実行委員長(副支部長)が開宴の言葉を述べ、大建工業㈱社長億田正則氏の乾杯で歓談に移った。久しぶりの懇親会とあって場内は和気あいあい、ジャズ発祥地神戸らしいバンド演奏とボーカルがムードを盛り上げた。宴は次期開催地大阪の桑原健郎副支部長(大合商組合長)の中締めで幕を下ろし、再会を期した。